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第41回
THIN LIZZY
"Black Rose A Rock Legend"

THIN LIZZY - "Black Rose A Rock Legend"
1979 UK VERTIGO 9102 032 (Hard Rock)

RARE: ★★

Member : Philip Lynott(vo,b) , Brian Downey(ds) , Scott Gorham(g) ,
Gary Moore(g)
Side (A)
1. Do Anything You Want To
2. Toughest Street In Town
3. S & M
4. Waiting For An Alibi

. Sarah

Side (B)
1. Got To Give It Up
2. Get Out Of Here
3. With Love
4. Roisin Dubh (Black Rose)  

  A Rock Legend

THIN LIZZYは1971年にデビューしたハードロックバンドで、アイルランドの英雄と呼ばれていました。
アイルランド人のPhil Lynottの挑発的かつ個性的なヴォーカル/ベースプレイが有名ですが、一見ヘヴィメタ系とも思えるファッションのせいでこのグループを知らないハードロックファンの方って意外と多いかもしれません。

ところでハードロックとヘヴィメタの違いについては、色々な意見がある中でも、特にハードロック黄金期からロックを聴いている人に『ハードロックとヘヴィメタルは全く違うものであ〜る。』という強い哲学(というか思いこみ)をお持ちの方が多いように見受けるのですが、取り敢えず私は、RAINBOWはハードロックで、SCORPIONSはヘヴィメタルといった感じで識別しています。(異論反論お寄せ下さい。)

ハードロックファンの人には、ヘヴィメタル系のグループがよく身につけている鎖とか皮のズボンといった光物に対する免疫が全くないので、その辺のところを境界線としているケースも多いようです。(個人差があります)

ちょっと前置きが長くなりましたが、このTHIN LIZZYは前述のように見た目は完璧にヘヴィメタルなのですが演っている内容は実に正統派のロックで、多くの人に耳にしてもらいたい音楽です。
ただ、正統派とは言ってもCREAMとかFREEとかのようなリズム&ブルースに根ざしたものではなく、もっとメロディアスな感じで、PINK FAIRIESの3rdあたりが好きな人なんかは結構気に入るよう音じゃないかと思います。

彼等は1971年にデビューして以来数多くのアルバムを発表していますが、そんな中でもこの作品は通算10作目にあたるもので、どちらかというと後期の作品になります。

さて内容の方ですが、A面の1曲目からもうイケイケでノリノリなイントロに思わず身を乗り出してしまいますが、メロディアスなギターの旋律もたまりません。天気の良い日に朝からドライブに出かけるような時にカーステで聴いたら最高ですね。
それから代表曲A-4『Waiting For An Alibi』(邦題『アリバイ』)。
この曲は驚くことにビデオクリップ(A-1もあります)が存在していて、たまにクラシックMTVみたいなのでやっていますが、これが白黒ながらもかなりエキサイティングな映像なので、機会があれば是非見て頂きたい逸品です。
特にあんなに顔がかっこ悪くてどうしても好きになれなかった(おいおい)Gary Mooreも、ここではもう少し細面でギタープレイも渋くて、思わず見直してしまいました。

そして何と言っても忘れてはならないのがB-4のタイトルナンバーです。
どこかで聴いたことがあるようなアイルランド民謡をモチーフとしたもので、ここで聴くことのできるギターソロはロック史に永遠に残るソロといっても過言ではなく、聴きながら思わずギターを弾くマネをしてしまった貴方の姿が目に浮かびます。

Phil Lynottのライヴパフォーマンスが存分に楽しめる2枚組大作『Live and Dangerous』も有名ですが、どれか1枚と言われたら私は断然これを選びます。