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第22回
GROUNDHOGS
"Split"

GROUNDHOGS - "Split"
1971 UK LIBERTY LBS83401 (Heavy Blues Rock)

RARE: ★★

Member : Tony McPhee (g,vo), Peter Cruickshank (b), Ken Pustelnik (ds)

Side (A)
1. Split - Part One
2. Split - Part Two
3. Split - Part Three
4. Split - Part Four
Side (B)
1. Cherry Red
2. A Year In The Life
3. Junkman
4. Groundhog

1963年に純粋なブルースバンドとしてデビューしたGROUNDHOGSは、1968年に再結成され、同年アルバムデビュー。
その後70年に発表された3RDアルバム『Thank Christ For The Bomb』辺りからヘヴィな音楽性を指向し始めます。

この『SPLIT』は4作目にあたる作品で、中心メンバーのTony McPheeのある日の精神状態を表現したと言われているもので、今から思えばよく他のメンバーが納得したよなと思ってしまいます。
A面は『SPLIT-PART1、2、3、4』という安易で分かりやすい曲名となっていますが、ブルースロックとしては非常に珍しいトータルコンセプト的な作りが大変興味深いです。

グループの編成自体はトリオとなっていますが、Tony McPheeのワウワウを多用したギターが全編に亘って大暴れする(そんなんばっかりですが)ため、とてもトリオとは思えない強力な演奏です。
BAKERLOOのような特異なオリジナリティは持ち合わせていませんが、LED ZEPPELINCREAMJEFF BECK GROUP等の所謂一線級の風格が感じられ、特にこのアルバムに関しては彼等とも堂々と渡り合えるだけの内容であると言えます。
ヴォーカルもワイルドで野武士のような荒々しさが男っぽい魅力を感じさせてくれます。

このレコードに針を落とすのは本当に久し振りなのですが、聴き始めて5分もすると『やっぱしブリティッシュハードロックっていいよな..。ちゃんと時間作ってHRも聴かなかんわ』という独り言を押さえることができません。
A面1、2曲目やB面1曲目は極端にかっこいい内容でして、『SPLIT−PART2』のイントロでベース(?)が『トントントントン..』と迫ってくるところは特に興奮します。
60年代後半から70年代前半のハードロックのレコードを聴いていると『なんでこの頃のハードロックはこんなに生っぽくて分厚くて歪んでいてカッコいいんだろう!?』といつも思い知らされてしまいます。
70年代後半以降のハードロックは、変にメタルっぽくて洗練されている分どうも迫力に欠けているような気がしてならないです。
(だからいつまで経っても70年代のレコードばっかり聴いているのかも知れません)

このアルバムはジャケット違いの米盤も出ているのですが、結構ダサくてがっかりしてしまいます。
それに引き換え英国盤の方は、内容のカッコよさがストレートに伝わってくる分裂気味のTony McPheeがばっちり写っている上にダブルジャケット&ヴィニールコーティングなので、是非英国盤でコレクトしておきたいものです。